※この記事では、パンチャカルマの全体的な流れや、心構えなどを中心に書いています。
※どうして一般の主婦が一人でスリランカまで行こうと思ったのか。
日常を離れることが難しい立場を押して、挑んだ理由は、以下の記事に書いています。
到着した日のこと
成田から乗り継ぎを経て、スリランカに到着したのは、深夜に近い時間帯でした。
飛行機を降りた瞬間、まとわりつくような湿度と、
日本とはまったく違う匂いに包まれたのを覚えています。
出迎えのスタッフが日本語で声をかけてくれた瞬間、
それまで張り詰めていた緊張が、少しだけほどけました。
「よく来てくれましたね」というひとことに、涙が出そうになったのを覚えています。
車窓から見える景色は田舎の夜という感じで野焼きもチラホラ。
「本当にここでやっていけるのだろうか」という不安と、
「ついに来た」という高揚感が入り混じっていました。
施設に着き、簡単な説明を受けて部屋に案内されたときには、
すでに日付が変わる頃。荷解きもそこそこに、
明日から始まる13日間に思いを馳せながら、静かに眠りについたのを覚えています。
客室と滞在環境について
部屋はシンプルながら清潔で、ベランダから庭の緑が見える造りでした。
テレビもあり、Wi-Fiもあるものの、施術後は極力使わないよう指導されていたため、
夜は静かに読書をして過ごす日が多かったです。
同じ時期に滞在していたのは、日本人だけでなく、
ヨーロッパやアジア各国からの宿泊者もいて、
長期滞在の間に、食事の時間にはレストランでお話する仲に。
「みんな同じように、自分の体と向き合いに来ているんだ」と感じられたことも、
不思議と心強く感じました。言葉は通じなくても、
同じ目的でここにいるという事実だけで、なんとなく安心できるものなのだと知りました。
パンチャカルマの全体的な流れ
私が実際に受けたパンチャカルマは、13日間でした。
思い切って2週間分の休みを取り、スリランカへ行ってきました。
年休の日数もそう多くはなかったため、
年末年始の休みに年休をつなげる形で、なんとか調整しました。
パンチャカルマの本場はインドやスリランカで、
アーユルヴェーダの総合病院もあります。
ただ、私の場合は初めてだったこと、
そして「治療」だけでなく「少しゆったり過ごしたい」という思いもあり、
ホテルタイプのリトリート施設を選びました。
施設での1日の過ごし方
具体的な1日のスケジュールは、だいたい次のような流れでした。
- 6時:ヨガ
- 7時半:朝食
- 9時〜:午前の施術(90分ほど)
- 12時半:昼食
- 14時〜:午後の施術(90分ほど)
- 16時:休憩・自由時間
- 18時:ヨガ
- 19時:夕食
自由時間には、クッキングクラスやボタニカルツアーなど、
希望すれば無料で参加できるプログラムもありました。
忙しいわけではないのに、常に何かしらの予定が組まれている感覚があり、
日本での「隙間時間さえあれば何か作業をしてしまう」生活とはまったく違うリズムでした。
最初の数日は、この「予定通りに、ただ流れに身を任せる」というペースに、
はじめは逆に落ち着かなさすら感じていました。
効率を求める思考が染みついていた私にとって、
「何もしない時間」が組み込まれていること自体が、新鮮な体験だったのです。
「何かしなければ」という焦りが、少しずつ薄れていったのは、
このリズムに体が馴染み始めた4日目あたりからだったと思います。
パンチャカルマの大まかな段階
パンチャカルマは、大きく3つの段階に分かれています。
① 事前準備(プールヴァカルマ)|5日間
この期間は、主にオイルマッサージ(アビヤンガ)が中心でした。
ヘッド、首・肩、フット、全身、フェイスと、
毎日さまざまな部位のトリートメントを受けました。
アビヤンガ後の発汗療法は、
その日の体調やトリートメント内容によって調整され、
フットバス、ピンダスウェダ、ハーバルバス、スチームバスなどが行われました。
発汗療法の種類も日によってさまざまでした。
ピンダスウェダは、薬草を布で包んだ温かい球(ピンダ)で全身を叩くように圧をかけていく施術で、
心地よい重みとじんわりとした熱が、体の奥まで届くような感覚がありました。
ハーバルバスは薬草を煮出したお湯に浸かるもので、独特の香りが強く印象に残っています。
スチームバスは、首から下だけを蒸気の箱に入れる形式で、
最初は息苦しさもありましたが、慣れてくると全身の毛穴が開いていくような、
不思議な爽快感がありました。
初日のアビヤンガは、正直かなり戸惑いました。
セラピストが、頭のてっぺんから足の先まで
たっぷりのオイルを使ってマッサージしていくのですが、
「こんなに人に体を委ねたのはいつ以来だろう」と、
くすぐったさと気恥ずかしさが入り混じった感覚がありました。
それでも3日目あたりからは、施術中に意識が飛ぶくらい、
体の力が抜けるようになっていきました。
② メインの浄化期間(パンチャカルマ)|4日間
この期間には、
- ヴィレーチャナ(薬草による下剤)
- ナスヤ(鼻のオイル施術)
が組み込まれていました。
ヴィレーチャナの次の日は休息日でパンチャカルマは休み。
アビヤンガなどのトリートメントのみが行われました。
ナスヤはフェイスマッサージやヘッドマッサージを施したあと
医師が鼻にオイルを入れ、やり方を教えてくれました。
③ 施術後のケア期間(パシュチャート・カルマ)|4日間
- ヴァスティ(オイル浣腸)3日間
- トリートメント半日
午前中は主にアビヤンガが行われました。
午後は、背中のトリートメントと発汗方の後に
ヴァスティ(オイル浣腸)が行われました。
ヴァスティはパンチャカルマの一部で、
排泄をメインにする施術だと思っていました。
しかし私が受けたヴァスティは、
栄養価のたかオイルを腸内にホールドするものでした。
これは、後処置に含まれる施術だったようです。
食事について
食事はすべてアーユルヴェーダの原則に基づいたもので、
消化に負担をかけない、スパイスを使った野菜中心のメニューが中心でした。
本来アーユルベーダの病院などでは、
朝食はお粥やハーブティー、
昼食が1日の中で一番しっかりした量で、
夕食は軽めのスープや温野菜が中心という構成です。
しかし、私が選んだリトリート施設では3食全てバイキングでした。
食べる前は「味が薄いのでは」と身構えていましたが、
スパイスの効いた優しい味付けで、思っていたよりずっと食べやすいものでした。
メニューは、ほとんどすべてが日本で括るとカレーです。
でもバナナの皮のカレーや、メロンやかぼちゃのカレーなど、毎日楽しんで食事を選びました。
作りたての温かい食事や、食卓を囲む仲間との会話を通して、
食事の楽しさを実感しました。
事前のカウンセリングと説明について
医師とは毎朝問診でカウンセリングをしました。
その日の睡眠、食欲、排便の様子について、毎日確認がありました。
自分で気づいた不調については、
英語の翻訳アプリを使いながら、できるだけ細かく伝えました。
肩や首のこり、
特に右側の方が強く感じること。
便の形状や量、におい、排泄にかかる時間。
夜中2時に尿意で起きてしまうことや、
ハラハラする悪夢を見ること。
さらには、なぜか「恋をしたいような気持ちが湧いてきた」ことまで、
思いつくことはすべて伝えていました。
最初は、こんな細かいことまで話していいのだろうかと戸惑いました。
でも医師は、私が翻訳アプリで打った文章を一つひとつ丁寧に読み、
「それは大事な情報です」と頷きながらメモを取ってくれました。
その姿勢に、次第に「なんでも話していいんだ」という安心感が芽生えていきました。
医師から伝えられたこと
印象的だったのは、
「体と神経がリラックスすると、排尿が増える」
と教えてもらったことです。
また、
体重10kgに対して500mlの水分補給が必要なため、
私の場合は1日2.5〜2.7リットルの水か白湯(冷たくないもの)を
飲むように指示されました。
オイルトリートメント後は、
体を冷やさないこと、
クーラーや風に当たらないこと、
画面を見て神経を使わないことなど、
日常の過ごし方についても細かい注意がありました。
正直、スマホを見られない時間は最初つらく感じました。
日本にいる家族のことも気になりますし、
SNSをみてのんびりしたい欲求もありました。
それでも数日経つと、画面を見ない時間が増えたことで、
逆に頭の中がすっきりしていく感覚があったのを覚えています。
不安だったこと・体力面の心配
施術そのものへの不安は、ほとんどありませんでした。
むしろ、短期間で効果を最大化したいという気持ちが強く、
不定愁訴を改善するため、できるだけ多くの施術を詰め込んでほしいと
医師に伝えていました。
一方で、体力面については心配がありました。
食事はバイキング形式でしたが、
医師がさりげなく私のお皿を覗いていたように感じたことがあります。
旅の疲れもあり、
食欲がない日が続いていました。
出された分は食べられるものの、
空腹感がはっきりしない状態でした。
頭痛も出ていたため、
こめかみにアーユルヴェーダバームを塗ってもらう日が
2〜3日ありました。
その様子を見て、
事前処置が1日延び、
本処置(パンチャカルマ)は1日短縮されました。
パンチャカルマを受けるためには、
体力がしっかり整っていることが必要だと
本で読んで知っていたため、
自分の体力のなさを少し悔しく感じたのを覚えています。
同時に、無理に予定通り進めるのではなく、
その日の私の状態に合わせて柔軟に調整してくれる医師の姿勢に、
安心感も覚えていました。「詰め込みたい」という私の希望よりも、
「今のあなたに必要な量」を優先してくれる。
その判断を信頼できたことが、残りの日程を安心して過ごせた理由だったと思います。
よくある質問
Q. 施設選びで、一番重視したポイントは何ですか?
日本語対応のスタッフがいること、そして治安の安定していることでした。
初めての単身海外で、英語にそこまで自信がなかったため、
この2点は譲れない条件でした。クリニック選びの詳しい決め手については、
費用・準備の記事で詳しく書いています。
Q. 毎日の施術で、一番つらかった段階はどこですか?
体力的には、最初の数日が一番つらかったです。
時差や旅の疲れが抜けきらないまま施術が始まるため、
食欲不振や軽い頭痛が出ました。
一方で、精神的には後半のヴィレーチャナ(下剤)が集中力を要しました。
詳しくは次の記事に書いています。
Q. スマホやパソコンは、まったく使えないのですか?
禁止されているわけではありませんが、
神経を休めるために、できるだけ控えるよう指導されました。
最初はつらく感じましたが、数日経つと、
画面を見ない時間が増えたことで、逆に頭の中がすっきりしていく感覚がありました。
Q. 一人で参加している人は多いのですか?
私が滞在していた期間は、単身で来ている方のほうが多かったです。
パンチャカルマ目的の方もいれば、リラクゼーション目的で
数日だけアーユルヴェーダ施術を受けに来ている方もいて、
思っていたよりも多様な目的の人たちが同じ施設で過ごしていました。
一人で来ることへの不安があるなら、決して珍しいことではないと伝えたいです。
まとめ
今回は、私が受けたパンチャカルマの全体的な流れと、施設での過ごし方、
事前のカウンセリング、受ける前に感じていた不安について記録しました。
実際に体験してみて感じたのは、
パンチャカルマは「いきなり浄化を始めるもの」ではなく、
その人の体力や神経の状態を見ながら、
丁寧に準備を重ねていく治療だということです。
受ける前は、
とにかく確実に不定愁訴を治して帰りたい
最も効果的な施術を期間内に全て体験したい
と欲深く考えていました。
しかし、医師はしっかり見ているし、
無理を積み重ねてきた身体は、急には変わることができません。
この13日間で一番学んだのは、「早く」「たくさん」ではなく、
「今の自分に必要な分だけ」を見極めることの大切さでした。
それは施術に限らず、日本に帰ってからの働き方や暮らし方にも、
そのまま通じる、大切な気づきだったと思います。
次回予告
次回は、
実際に受けたアビヤンガやヴァスティ、ナスヤなどの施術について、
体感ベースで記録していく予定です。
施術ごとの細かな流れや、
正直に「どう感じたか」という点を中心に書こうと思っています。
正直に「痛かったこと」「驚いたこと」も含めて書いていくので、よかったら覗いてみてください。


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