【スリランカ】パンチャカルマ体験記③|施術後に現れた体と心の変化

パンチャカルマ体験記


※本記事では、実際に受けた施術内容の詳細説明は省き、施術後に私の体と心に起きた変化を中心に記録しています。

※この記事は、パンチャカルマ体験記の続きです。
パンチャカルマ全体の流れや、受ける前に感じていた不安については、
以下の記事にまとめています。

【スリランカ】パンチャカルマ体験記②|13日間の流れと、受ける前に知っておきたかったこと


パンチャカルマの体への負担や、きつさはどうだったか

ヴィレーチャナ(下剤)について

パンチャカルマの中でも、特に身構えていたのがヴィレーチャナでした。下剤と聞くと、腹痛を伴うのではないか、強い負担があるのではないかと想像していたからです。

施術当日の朝、医師から手渡された薬草の液体は、独特の香りがありつつも、想像していたよりずっと飲みやすい味でした。飲んだ直後は、「本当にこれだけで効くのだろうか」と、正直なところ半信半疑だったのを覚えています。

実際には、お腹に「これから何かが起こりそう」という独特の緊張感はあったものの、よじれるような痛みは一切ありませんでした。排泄のサインはとても微細で、注意を向けていなければ見逃してしまいそうな感覚でした。

その小さな違和感を感じたタイミングでその都度トイレに向かい、結果的に合計11回の排泄がありましたが、終始痛みはなく、驚くほど穏やかに進みました。トイレと部屋を何度も往復しながら、次第に体が軽くなっていく感覚があり、回数を重ねるごとに「これは怖いものではないんだ」と、緊張がほどけていったのを覚えています。

体力的な負担はほとんど感じませんでした。おそらく医師が、私のその日の状態に合わせて、薬剤の強度を細かく調整してくれていたのだと思います。

一方で、精神面では集中力が必要でした。YouTubeやSNS、人との交流など、気を紛らわせる誘惑は多くあります。本には「パンチャカルマ中は自分と向き合うことが効果を高める」と書かれており、私は排泄の合間にジャーナリングを行いました。

書き出していくうちに、過去に封じ込めていた感情が溢れ出し、涙が止まらなくなりました。子どもの頃の記憶や、これまで誰にも言えずにいた仕事への不満、母としての自分への罪悪感——普段は蓋をしていたものが、次から次へとノートの上に流れ出てきました。今振り返ると、この内面と向き合う作業こそが、施術そのものよりも最もエネルギーを要し、同時に大切なプロセスだったと感じています。

ヴァスティ(浣腸)について

ヴァスティは、私の体質改善に最も効果的だと医師から言われていた施術で、恐怖よりも期待の方が大きくありました。ただ、2時間もオイルをホールドができるのか、途中で失敗しないかという不安はありました。

施術は想像以上にスムーズでした。セラピストが姿勢を整え、呼吸による脱力を導いてくれたことで、緊張はすぐに和らぎました。カテーテル挿入時の痛みはなく、オイル60mlが入った感覚もほとんど分かりませんでした。

自室に戻り、読書をしながら過ごしていると、自然に2時間を保つことができました。ベッドに横たわりながら、ページをめくる音だけが響く静かな時間。不思議と、体の内側が温められているような、じんわりとした心地よさがありました。尿意をきっかけに排泄が起こり、排出されたオイルには、これまで嗅いだことのない強い苦味のある匂いがありました。医師いわく、それは体に溜まっていた毒素が排出された証拠とのことでした。

ナスヤ(鼻の施術)について

ナスヤは、儀式のような独特の雰囲気があり、印象深い施術でした。上半身、とくにヘッドとフェイスを丁寧にマッサージされた後、薬草の蒸気を顔全体に当てます。蒸気を浴びている間、鼻の奥がじんわりと開いていくような感覚があり、それまで気づかなかった鼻の詰まりに初めて気づかされました。

その後、仰向けになり、スポイトで片鼻ずつオイルを吸い込みました。喉の奥にオイルの味を感じつつ、飲み込まないよう耐えます。さらに、薬草を燃やした煙を吸う工程があり、咳き込むことで、痰とともにオイルが排出されました。

施術後も長時間にわたり喉に違和感が残り、何度も吐き出す必要がありました。普段、痰を出すことが苦手な私にとっては難しい体験でしたが、「出し切る」という意識で向き合いました。その結果、翌日は喉が少し痛みましたが、納得感のあるプロセスでした。施術を担当してくれたセラピストが「これは体の中の澱んだものを出す、大切な工程なのよ」と繰り返し声をかけてくれたことも、最後まで向き合えた理由の一つだったと思います。


この時点で感じた体の変化

排泄や睡眠の変化

もともと3〜4日便秘が続くことが日常でしたが、パンチャカルマ中は毎日排便がありました。形は小さく硬く、量も少なめでしたが、朝と昼の2回出る日もありました。

睡眠については、医師の判断で睡眠導入剤を継続して使用しました。夜間の中途覚醒は続いていましたが、トイレ後はすぐ再入眠できるようになりました。

徐々に眠れる時間が延び、最終的にはアラームまで眠れる日が続きました。目覚めたときの体は重たいものの、だるさではなく、しっとりとした感覚で、自然に動き出せるようになりました。

日を追うごとに、朝起きたときの感覚が変わっていくのが自分でもわかりました。最初の数日は「重い」としか表現できなかった感覚が、施術が進むにつれて「満たされている」に近い感覚に変わっていったのです。

肌や表情の変化

体の内側の変化だけでなく、鏡を見たときの印象も少しずつ変わっていきました。

施術が始まる前は、目の下にくすみがあり、
表情もどこか固まっているような印象でした。
連日のオイルトリートメントの影響もあるとは思いますが、
1週間を過ぎたあたりから、肌にツヤが出て、
頬のこけが目立たなくなってきたのを感じました。

何より驚いたのは、鏡の中の自分の表情が、
以前よりやわらかくなっていたことです。
力の入っていた眉間や口元が、少しずつゆるんでいく感覚が、
現地のスタッフが撮ってくれた写真を見返すたびに、自分でもはっきりわかるほどでした。

感情の波について

排泄が進むにつれて、感情が素直に出せるようになっていきました。
悲しいことで涙が出る、
些細なことで笑顔になれる。

医師に相談すると、「体に溜まっていたものが出ていく過程で、
感情も一緒に動きやすくなるのは自然なことですよ」と説明されました。
子どもみたいに素直に感情を出せる心地よさを改めて感じました。
「今、心のデトックスの真っ最中なんだ」と捉えられ、
波に乗るような感覚で穏やかに過ごせるようになっていきました。

まだ分からなかったこと

正直に言うと、便秘が劇的に解消されることを期待していました。しかし、日本に帰ってからも、生活を整えなければ自然に良くなるものではないと感じています。

また、体がとても敏感になり、疲れを感じやすくなりました。気合いで乗り切ることができなくなり、体が明確にブレーキをかけてくる感覚があります。

その一方で、定時で帰る、食後に横になる、刺激の強い情報を避けるなど、生活を見直すきっかけにもなりました。


ある日の記録|ヴィレーチャナを受けた日

一番印象に残っている日の記録を、そのまま残しておきます。

朝6時、いつも通りヨガから1日が始まりました。
朝食はありませんでした。ギーを飲むよう指示されました。
9時、自室で薬医師から草の液体を手渡され、
「今日は無理せず、部屋でゆっくり過ごしてくださいね」と声をかけられました。

飲んでから1時間ほどは、特に変化を感じませんでした。
「本当に効くのかな」と半信半疑のまま、ノートを開いてジャーナリングを始めました。
書いているうちに、保育士としての仕事の悩みや、
母親としての罪悪感が、次から次へと言葉になって溢れてきました。
気づけば、ノートの上に涙が落ちていました。

薬草を飲み30分くらいで、お腹に小さな違和感を感じてトイレへ。
それから昼過ぎまで、断続的にトイレと部屋を静かに往復する時間が続きました。
排泄のたびに、体だけでなく心も少しずつ軽くなっていくような感覚があり、
夕方には、朝とはまったく違う静けさの中にいました。

夜、鏡を見たとき、目の周りのむくみが引いていることに気づきました。
この1日だけで、何かが確実に変わったと実感した、忘れられない体験です。
今でも、あの日の静けさをふと思い出すことがあります。

施術と施術の合間に感じていたこと

施術と施術の合間、部屋で一人になる時間は、それまでの人生でほとんど経験したことのないものでした。

保育士として働き、母として3人の子どもと向き合う慌ただしい日常では、
一人で何もせずにいる時間など、ほぼありませんでした。
最初の数日は、その静けさに落ち着かなさすら感じていましたが、
次第に「何もしなくていい」という感覚そのものが、
自分にとってどれほど貴重なものだったかに気づかされました。

ふとした瞬間に涙が出ることも何度かありました。
悲しいからではなく、ただ、これまで張り詰めていたものが
少しずつゆるんでいく感覚から来る涙だったように思います。
誰にも見られていない静かな部屋で、人目を気にせず思いきり泣けたことも、
今振り返れば、かけがえのない大切な時間だったと感じています。


受ける前の自分に今伝えたいこと

構えすぎなくていいこと、完璧に理解しなくていいこと、そして体の反応を信じていいこと。
不安に思っていたことのほとんどは、実際には起こりませんでした。

施術は、無理に何かを起こそうとしなくても、体が必要な分だけ反応してくれました。怖がらず、丁寧に向き合う姿勢があれば、パンチャカルマは静かに作用していくのだと思います。

よくある質問

Q. ヴィレーチャナ(下剤)は、痛みを伴うものですか?

私の場合、よじれるような強い痛みは一切ありませんでした。
お腹に「何かが起こりそう」という独特の緊張感はありましたが、
医師が体調に合わせて薬剤の強度を調整してくれていたため、
体力的な負担も少なく済みました。ただし個人差はあると思います。

Q. ヴァスティ(オイル浣腸)は怖くないですか?

施術前は不安がありましたが、実際は想像以上にスムーズでした。
セラピストが呼吸を使って脱力を導いてくれたので、
カテーテル挿入の痛みも、オイルが入る感覚もほとんどありませんでした。

Q. ナスヤで一番つらかったことは何ですか?

薬草の煙を吸って咳き込む工程と、施術後も長く喉に違和感が残ったことです。
普段、痰を出すのが苦手な人には少し大変かもしれません。
それでも「体の中の澱んだものを出している」と意識すると、以前より向き合いやすくなりました。

Q. 施術中に感情が溢れてくることはよくあるのですか?

私の場合、ジャーナリングをしている最中に、
過去の感情が次々と溢れ出してきました。
本にも「パンチャカルマは体だけでなく心の浄化も伴う」と書かれており、
これは特別なことではなく、多くの人に起こりうる反応だと理解しています。

Q. 肌や見た目の変化は、本当に感じられるものですか?

個人差はあると思いますが、私自身は1週間を過ぎたあたりから、
肌のツヤや、頬のこけの改善、表情のやわらかさの変化を感じました。
写真を見返すと、施術前後での違いが自分でもはっきりわかるほどでした。


まとめ

パンチャカルマは魔法ではありません。偏頭痛や不眠、便秘が一気に消えるわけではありませんでした。

それでも、薬を使わずに生理期間を乗り切れたこと、中途覚醒なく眠れるようになったことは、私にとって大きな変化でした。

何より、自分の体の限界に気づき、休む練習を始められたこと。それが、この体験で得た一番の収穫だと感じています。
気合と根性だけで押し切ってきた39年間の生き方を、少しずつ手放し始めるきっかけにもなりました。

今後は、パンチャカルマ後の日本での生活や、日々の体調管理、
そして帰国してから数ヶ月が経った今の変化についても、正直に記録していく予定です。


パンチャカルマの流れから施術内容までを通して知りたい方は、
以下の記事もあわせて読んでいただけると、全体像がつかみやすいと思います。

※本記事は個人の体験に基づく内容です。施術の効果や感じ方には個人差があります。持病のある方や妊娠・授乳中の方は、事前に医師にご相談ください。

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