娘と並んで布団に入り、お笑い系のSNSを見続けながら眠りに落ちた夜がありました。
翌朝、体が重い。
目は覚めているのに、まどろみだけがやけに重くて、二度寝、三度寝。気合で起き上がっても、気持ちはまったくスッキリしません。頭に薄いモヤがかかったような、あの感覚です。
「昨日、ちゃんと寝たはずなのに」
そう思いながら、スマホの履歴を見返して気づきました。寝る直前まで、画面を見続けていたことに。
きっかけは、インスタで見たある投稿でした
アーユルヴェーダ実践家のMOTOKOさんが、インスタグラムでこう発信しているのを見たことがあります。
「寝る前に、小さくて光る、動くものを見てはいけない」
スマホの画面そのものじゃないか、と思いました。
思い返せば、スリランカでパンチャカルマを受けていたときも、似た指導を受けていました。オイルトリートメントの後は、体を冷やさないこと、クーラーや風に当たらないこと、そして——画面を見て神経を使わないこと。
当時は「まあ、施術後だから特別なんだろう」くらいに思っていました。でも、日常に戻ってからも、この教えはずっと頭に引っかかっていました。
やめる前の私の夜は、こんな感じでした
正直に書きます。
夕飯を終えてから寝るまでの約2時間、私はほぼずっとスマホを見ていました。YouTube、Instagram、Facebook。だらだらと、次から次へと。
見ている内容は、一応「有益なもの」を選んでいるつもりでした。時間の使い方、疲れの取り方。そういう動画を検索して見ていました。
でも、どこかで気づいていたんです。YouTubeを見ること自体に、疲れを感じているような本能が働いていることに。
不思議なのは、疲れている日ほどSNSをやめられないことでした。瞑想しようと思っても、まったく集中できない。ついうっかりケータイに手が伸びて、気づけば時間が溶けている。眠気が来るまで画面を見て、飽きてやめる。それが、私の夜の使い方でした。
保育士として働き、3人の子どもの世話をして、夕飯の後片付けまで終えると、もう頭も体もくたくたです。そんな状態で「さあ、有意義な夜を過ごそう」と思っても、実際にできることは限られています。手っ取り早く気を紛らわせてくれるものに、自然と手が伸びてしまう。スマホは、その代表格でした。
「疲れているからこそ、休むためにスマホを見る」つもりが、実際には「疲れているのに、さらに神経を使う行為をしている」だけだったのだと、今なら分かります。当時の私は、その矛盾にまったく気づいていませんでした。
アーユルヴェーダ的に見ると、なぜ画面がヴァータに負担なのか
アーユルヴェーダでは、ヴァータは「軽さ・動き・刺激」という性質を持つエネルギーだとされています。
スマホの画面は、まさにこの性質そのものです。次々と切り替わる映像、小さく光る通知、指先ひとつで動く情報の速さ。
同じ性質のものを重ねると、その性質はさらに増幅されるとアーユルヴェーダでは考えます。ヴァータ体質の私が夜にスマホを見続けるということは、ただでさえ乱れやすい神経に、さらに「軽さ・動き・刺激」を注ぎ込んでいるようなものだったのだと、後から理解しました。
本来、夜は神経を鎮めていく時間のはずです。でも画面は、その真逆の方向に神経を働かせ続けます。頭では「休んでいる」つもりでも、脳と神経はずっと稼働している状態。これが、朝の重だるさの正体だったのだと思います。
アーユルヴェーダでは、体と心を整えるために「同じ性質のものを重ねない」という考え方をよく使います。暑い日には冷たいものではなく涼を取り入れる工夫を、乾燥する季節には潤いを補う、というように、乱れている性質とは逆のものを差し出してバランスを取り戻す発想です。
夜、神経が高ぶりやすいヴァータ体質の人にとって必要なのは、本来「重さ・静けさ・規則性」のはずです。温かい飲み物、静かな部屋、決まった時間に眠る習慣。そのすべてと真逆の性質を持つのが、明るく光り、次々と情報が切り替わるスマホの画面でした。分かってしまえば当たり前のことですが、渦中にいるときは、なかなか気づけないものだと思います。
置き換えたのは、ヨガと瞑想でした
まず決めたのは、「お風呂から上がったらSNSを見ない」というルールです。
髪を乾かして布団に入ったら、読書をする。ジャーナリングをすることもありますが、これはストレスの元をじっくり探る元気があるときだけ。たいていは疲れていて、ペンすら持てません。
それでもどうしてもYouTubeが見たくなる夜は、正直に流されることもあります。ただ、見る内容だけは変えました。布団の中でできる寝る前のヨガと、ボディスキャン瞑想の動画です。最近は、画面は見ずに音声だけを流して、そのまま入眠することが多くなりました。
ある夜の対比|同じ「疲れた夜」でも、こんなに違う
冒頭に書いた、娘とお笑いSNSを見て眠った夜。あの翌朝は、頭にモヤがかかったまま、何度も二度寝を繰り返しました。
一方、ヨガとボディスキャン瞑想をして眠った夜の翌朝は、目が覚めた瞬間から、疲れがすっと抜けている感覚があります。
毎回そう感じるわけではありません。それでも、そう感じる頻度は、明らかにヨガをして眠った日の方が高い気がしています。
最近思うのは、呼吸の深さが関係しているのではないかということです。スマホを見ているときの呼吸は、驚くほど浅くなっています。ヨガや瞑想は、否応なく呼吸を深くする時間。神経の鎮まり方そのものが、根本的に違うのかもしれません。
正直に言うと、完璧には続いていません
帰国してから、スマホの時間を減らそうとずっと意識はしています。
でも、いつのまにか、また戻ってしまう。そういう時期が、これまで何度もありました。
不思議なもので、体はちゃんと反応してきます。朝、起きられない日が増える。気持ちがじわじわと沈んでくる。ハッとして生活リズムを見直すと、気づけばまたSNSに溶けている時間が長くなっている。そこで立て直して、しばらくするとまた緩んで——というのを、正直、何度も繰り返しています。
SNSは楽です。見ている間は、リラックスできているような気になります。でも、体の疲れは正直に出てくる。神経が、静かに消耗しているのだと思います。
ここ1ヶ月は、夜のヨガと瞑想がようやく定着してきました。おかげで夏バテもせず過ごせていますし、眠りも深くなった実感があります。この状態を、できるだけ長く保ちたいと思っています。
夜のもう一つのお守り
ヨガと瞑想に加えて、神経の高ぶりが強い夜だけ、アシュワガンダをホットミルクで飲むこともあります。寝る前のちょっとした儀式のようなものです。
詳しくは別の記事にも書いています。
夜の過ごし方については、こちらの記事もあわせてどうぞ。
楽しい飲み会の夜ほど眠れない理由|ヴァータ体質と睡眠乱れの対処法
よくある質問
Q. スマホを完全にやめないといけませんか?
私自身、完全にやめられているわけではありません。「お風呂上がりは見ない」というルールだけは意識していますが、それでも流される夜もあります。大切なのは、完璧にやめることより、寝る直前の使い方や内容を少しずつ変えていくことだと感じています。
Q. ヨガや瞑想が苦手、時間がない場合はどうすればいいですか?
私も特別な知識があるわけではなく、布団の中でできる簡単なヨガの動画や、ボディスキャン瞑想の音声を流しているだけです。動きを完璧に真似する必要はなく、音声を聞きながら呼吸を意識するだけでも、画面をずっと見続けているよりはるかに神経が休まると感じています。
Q. 子どもと一緒にSNSを見てしまう時は、どうしていますか?
正直、娘と一緒に笑いながら見る時間そのものは、悪いものだとは思っていません。ただ、それが「寝る直前」になると、翌朝の重さにつながりやすいと感じています。見る時間帯を少し早める、寝室ではなくリビングで見る、といった工夫を試している最中です。
Q. どのくらいで効果を感じましたか?
はっきり「変わった」と感じたのは、続けて1ヶ月ほど経った頃です。ただし毎日必ず実感できるわけではなく、体調や疲労度によって波があります。即効性を求めるというより、神経の消耗を少しずつ減らしていく習慣として捉えています。
Q. YouTubeの内容をヨガや瞑想に変えるだけで、本当に違いはありますか?
私自身、最初は半信半疑でした。ただ、同じ「画面を見る」行為でも、テンポの速いバラエティやお笑い系のコンテンツと、ゆっくりした呼吸を促すヨガや瞑想の動画とでは、見終わった後の神経の状態がまったく違うと感じています。情報量や展開の速さそのものが、ヴァータを刺激する要素になっているのかもしれません。
Q. また元に戻ってしまったら、どうすればいいですか?
私自身、何度も元に戻っています。そのたびに自分を責めるのではなく、「体がサインを出しているから、今また立て直そう」と捉え直すようにしています。完璧に続けることより、戻ってきたときにまた始められることの方が、長く続ける上では大切だと感じています。
まとめ
- アーユルヴェーダでは「寝る前に小さく光る、動くもの」を見ないよう教えられている
- スマホの画面は「軽さ・動き・刺激」というヴァータの性質そのもので、夜に見ると神経がさらに乱れやすい
- 夕飯後2時間だらだらSNSを見ていた頃は、疲れていてもやめられず、瞑想にも集中できなかった
- お風呂上がりのSNS禁止ルール、読書、寝る前のヨガとボディスキャン瞑想への置き換えを実践中
- SNSを見て眠った朝と、ヨガ・瞑想をして眠った朝とでは、疲れの抜け方が明らかに違う
- 完璧には続けられておらず、戻る→気づく→立て直すのサイクルを繰り返している
- それでも直近1ヶ月は定着し、夏バテせず眠りも深くなった実感がある
※本記事は個人の体験に基づく内容です。睡眠や体調の感じ方には個人差があります。不眠が長期間続く場合や、心身の不調が強い場合は、自己判断せず医師にご相談ください。


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