便が出ない日は、心も動かない|ヴァータ体質の私が「出させよう」とするのをやめた理由

不調と対処法

※この記事は、アーユルヴェーダの体質論(ドーシャ)をもとに、
ヴァータ優位の筆者自身の体験を綴ったものです。

※ヴァータは「動き」「乾燥」「冷え」の性質を持つドーシャ。
便秘や不安、疲れやすさとして表れやすいと言われています。
体質そのものについては、こちらの記事で詳しくセルフチェックできます。

体の不調はドーシャが原因?アーユルヴェーダ体質診断で自分を知ろう


朝から下腹部が重い日。今日の体の状態

朝、目が覚めた瞬間から、下腹部が少し重たいと感じました。

お尻のあたりにも、なんとなく違和感があります。
けれど、はっきりとした便意はありません。

「今日も出ないかもしれない」

そう思った瞬間、気持ちが少し沈みます。
踏ん張っても出ないだろう、という感覚がもう分かっているからです。

出勤まであまり時間もありません。
無理にトイレに座らなくても、一日は回ります。

排便がないことは、正直、私の日常です。

出たとしても、小さくて硬くて少量。
力まず、まとまって出る日は、年に数えるほどしかありません。

以前は、お腹が張ると便秘薬を飲んで無理やり出すこともありました。
便意が来ないまま違和感だけが続く日は、いちじく浣腸に頼ったこともあります。

「また出ないのか」

そのがっかり感を味わうのが、少し面倒に感じることもあります。
それでも今日は、「とりあえず座ってみよう」と思いました。


なぜヴァータ体質は、便秘になりやすいのか

この便秘、単なる体質のクセだと思っていましたが、
アーユルヴェーダを学ぶ中で、理由がはっきり分かってきました。

ヴァータは「風」と「空」のエネルギー。
動きやすく、軽く、そして乾燥という性質を持っています。

腸内の水分バランスが乾燥に傾くと、便そのものが硬く小さくなり、
腸のぜん動運動もスムーズに働きにくくなります。
私のコロコロとした小さい便は、まさにこの「乾き」が原因だったのだと、
後から知って腑に落ちました。

さらに、ヴァータが乱れると、腸の動きだけでなく「排泄のタイミングを感じる感覚」そのものが
鈍くなることがあると言われています。
便意がはっきり来ないまま、気づけば1日、2日と過ぎていく感覚は、
まさにこれだったのだと思います。

コーヒーのような「乾燥・刺激」の性質を持つ飲み物を習慣的にとることも、
ヴァータの乾きをさらに強めてしまうそうです。
私自身、この関係に気づいてから、飲み物との付き合い方を見直した経験を別の記事に書いています。

コーヒーをやめたら便秘が治った|ヴァータ体質と腸の乾燥の話


体が詰まると、心も動かなくなる

排便がない日は、体だけでなく心も重くなります。

朝から頭がすっきりしません。
思考が、うっすらと曇っている感覚があります。

「便が出たら、きっと軽くなる」

そんな確信に近い予感があるからこそ、出ない状態が余計につらく感じます。

便秘の日は、不思議と気持ちも停滞します。

仕事へ向かう足取りが重くなります。
何かを始めるにも、いつもより気合いが必要です。

自然なやる気が湧いてきません。
些細なことで、不安にもなりやすくなります。

「今日は頭痛が来そうだな」

そんな予感まで、セットでついてきます。

家事も、仕事も、子どもの送り出しも。
日常をこなすために、自分を鼓舞し続けなければなりません。

こうやって、ずっと「頑張る」を続けてきました。

ふと、思いました。

「私、自分にあまり優しくないな」と。


今日やったことは、ほんの少しだけ

今日は、たくさんのことはしませんでした。
ほんの少しだけ、体をいたわることにしました。

レーズン水を飲みました

前の晩にお湯でふやかしておいたレーズンを、朝、白湯で割って飲みました。

自然な便意が来たらいいな、という気持ちで。

正直に言うと、レーズンは子どもの頃からあまり得意ではありません。
でも飲んでみると、意外と悪くありませんでした。

「体が求めていたのかな」
「大人になって味覚が変わったのかな」

そんなことを、ぼんやり考えました。

レーズンには水分と自然な甘みがあり、腸をやさしく潤す食材として
アーユルヴェーダでもよく使われると聞きます。
ふやかす時間があるぶん、前の晩から「明日のための準備」をする、
その行為自体が、なんとなく自分を大切にしている感覚にもつながっています。

左を下にして横になりました

排泄の流れを助けたいと思い、左を下にして横になりました。

消化や排泄に関わる臓器の動きを、少しでもサポートできたらと思ったからです。

本当なら、

「横になっている場合じゃない」
「やることが山ほどある」

そんな思考が出てきます。

でも今日は、時間の許す限りリラックスすると決めました。

白湯を、いつもよりゆっくり飲みました

いつもは飲み物として流し込むように飲んでいた白湯を、
今日は少しだけ時間をかけて、一口ずつ味わうように飲みました。

急いで飲むと、案外「飲んだ」という実感が残りません。
ゆっくり飲むことで、お腹がじんわり温まっていく感覚が分かり、
それだけで少し、体の緊張がほどけていく気がしました。


食事の面でも、少しずつ意識が変わった

この日を境に、食事の内容も少しずつ見直すようになりました。

以前は、忙しい朝に生野菜のサラダやヨーグルトなど、
「体にいいはず」のものを冷たいまま口にすることが多くありました。
でも振り返ると、それらはヴァータが持つ「冷え・乾燥」の性質と同じ方向のもの。
知らず知らずのうちに、自分の体質と逆行する食べ方をしていたのだと思います。

今は、朝はできるだけ温かいものを選ぶようにしています。
味噌汁やスープ、蒸した野菜など、消化に負担の少ないものを中心に。
油分も、良質なオイルを少量加えることで、
腸の中の滑りを助けてくれる感覚があります。忙しい朝でも、
汁物を1品用意するだけならそれほど手間はかかりません。

「便秘には食物繊維」とよく言われますが、
私の場合、繊維の多い生野菜を増やすよりも、
「温める・潤す」ことを意識する方が、体に合っていました。
体質によって効くアプローチが違うのだと、この経験から強く実感しています。同じ「体にいい」食べ方でも、万人共通の正解はないのだと思います。

今日は「出させよう」としませんでした

「早く出したい」
「整えなきゃ」
「ちゃんとしなきゃ」

そう思うほど、体がキュッと固くなる感覚があります。

だから今日は、「出させよう」とは思いませんでした。

「まぁ、座ってみようかな」

そのくらいの気持ちで、トイレに行きました。

そんな日々を繰り返しているうちに、少しずつ排便が戻ってきました。

毎日ほんの少し。
一粒だけ、という日もあります。

それでも、一粒出せた自分のお腹をちゃんと褒めました。

それだけで、体が少し緩む気がします。

結果が出なくても大丈夫。
今日は、それでよしとします。


この習慣を続けて、半年後どうなったか

この記事を書いた日から、半年ほどが経ちました。

正直に言うと、毎日きれいに出るようになったわけではありません。
それでも、当時の自分と比べると、明らかに変わったことがあります。

以前は「便秘=悪いこと、直さなければいけないこと」という捉え方で、
出ない日はずっと自分を責めていました。
今は、「今日は体が留めている日なんだな」と受け止められる日が増えました。

不思議なもので、力むのをやめてからの方が、
自然な便意そのものを感じる頻度が増えた気がしています。
「出させよう」とする緊張そのものが、逆に体を固くしていたのかもしれません。力を抜くことは、諦めることとは違うのだと、今は思っています。

なぜ、私は「出させよう」としてしまっていたのか

振り返ってみると、便秘に対する私の向き合い方は、
仕事や生活のあらゆる場面での「頑張り方」と、そっくり同じでした。

思い通りにならないと、力でなんとかしようとする。
結果が出ないと、自分を責める。
うまくいかない原因を、自分の努力不足のせいにする。

便が出ないことも、体の一部の反応でしかないのに、
「私がちゃんとできていないからだ」と、いつの間にか結びつけてしまっていました。

スリランカでパンチャカルマを経験してから、
「気合と根性でなんとかする」というやり方そのものを見直すようになり、
その延長線上で、この便秘との付き合い方も少しずつ変わっていったように思います。
体は、力でコントロールする対象ではなく、
耳を傾ける相手なのだと、この経験を通して少しずつ学んでいます。

出ない日は、責めなくていい

最後に、これだけは伝えたいと思います。

出ない日があっても、それはダメな日ではありません。

「運動不足だったかな」
「食生活が悪かったかな」

そんなふうに、自分を責めなくて大丈夫です。

体は、ちゃんとサインを出しています。

お尻のむずむず感。
頭痛の予感。

出ない日は、

「今日は体が、留めることを優先した日」

そう思うことにしました。

結果よりも、体との向き合い方そのものを変えることの方が、長い目で見ればずっと意味があるのだと思います。すぐに結果が出なくても、それでいいのです。

もし、この記事を読んでいるあなたにも、同じような日があったら。

どうか少しだけリラックスしてください。
焦らなくていい。
責めなくていい。

自分に「まぁいっか」と言ってあげてほしいのです。

少しずつ変わっていけたら、それで十分だと思います。

よくある質問

Q. レーズン水は、どのくらいの量・頻度で飲めばいいですか?

私はレーズン10〜15粒ほどを前の晩からお湯でふやかし、
翌朝そのふやかし汁を白湯で割って飲んでいます。
毎日でなくても、便が滞っていると感じる日だけ試すくらいの気軽さで続けています。
オイルコーティングされているものは一度湯煎してから使うと効果が出やすいです。

Q. 便秘薬や浣腸に頼るのは、やめた方がいいのでしょうか?

完全にやめる必要はないと思います。私自身、どうしてもつらい時は今も頼ることがあります。
ただ、「毎回それに頼らないと出ない」という状態が続くようであれば、
体の水分バランスや生活リズムそのものを見直す、良いきっかけにしてみることをおすすめします。

Q. 保育士の仕事をしながら、トイレのタイミングをどう作っていますか?

正直、勤務中は思うようにトイレに行けない日も多いです。
それでも、休憩時間だけは「便意がなくても一度座ってみる」ことを意識しています。
座ること自体が、体に「今はリラックスしていい時間だよ」と伝える
合図になっている気がしています。

Q. 便が出ないこと自体が、ストレスになってしまいます。どうすればいいですか?

とてもよく分かります。私も長年、そうでした。
「出さなきゃ」と力むほど体が緊張するので、
まずは「今日は出なかった」という事実だけを淡々と受け止め、
評価や反省をしない練習をしてみてください。
それだけで、翌日以降の緊張が少しずつゆるんでいきます。

生理と体調にも、同じような波がある

ヴァータ体質は、便通だけでなく、生理周期の中でも波を感じやすい体質です。
私自身、生理中の過ごし方を半年かけて見直した経験も、別の記事に書いています。

生理中の洗髪を半年やめてみたら、本当に変わった話|アーユルヴェーダの教えを体で確かめた

体のリズムに耳を傾けるという意味では、便通も生理周期も、根っこは同じなのだと感じています。
どちらも、コントロールしようとするほど乱れ、
見守ろうとするほど、自然に整っていく感覚があります。

この記事のまとめ

  • ヴァータ体質は「乾燥」の性質から、便が硬く小さくなりやすい
  • 排便がない日は、体だけでなく心も重くなり、気力や不安にも影響する
  • レーズン水・横向きの休息・ゆっくり白湯を飲むなど、小さなケアを積み重ねている
  • 「出させよう」と力むのをやめてから、少しずつ自然な排便が戻ってきた
  • 出ない日を責めず、「今日は体が留めることを優先した日」と捉え直すことが大切

次は、こんな日の話を書こうと思っています。

「休んだはずなのに、なぜこんなに疲れるのか」

疲れる体と、「やらなきゃ」という思考。その距離を、どうやって縮めていったのか。そんなことを書いていきます。

休んだのに疲れるのはなぜ?休み方がわからない人へ|「まぁいいか」で心が軽くなる話

※本記事は個人の体験に基づく内容です。便通の状態には個人差があります。強い腹痛や、便秘が長期間続く場合は、自己判断せず医師にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました